教えて!AGEのこと

第3回 肌とAGEの関係性 ~美肌を保つ生活習慣~

BTYゼネラリスト
寺山 イク子氏

 
いつまでも美肌でいたいから

 年齢を重ねると、代謝はだんだん落ちてくる、免疫力はどんどん下がる、放っておくと筋肉が衰えて体重は変わらないのになんだかタルタルな皮膚に・・・エイジングは避けられない事実。ですが、どう年齢を重ねていくか?は自分次第なのですから、戸籍年齢と「見た目年齢」は全く別物、ではないでしょうか。アンチエイジング(ケア)もかなり浸透してきましたが、まだまだ「アンチ○○」となると受け入れたくないみたいな風潮もあります。しかしながら、単に「若い」「若返り」の奨励では決してなく、最近の臨床では内臓機能が若ければ、連動して外見も若々しいというのが立証されています。皮膚は「むき出しの内臓」と呼ばれている臓器だけに説得力がありますよね。

肌ケアのトレンド予測、これからは「抗糖化」ケア

 これまで美しく健康的でハリのある肌をキープするには「抗酸化ケア」が大切と言われてきましたが、現在では「糖化」についてケアが必要なことがわかってきました。では「糖化」とは何でしょうか?肌で糖化が起こると、肌のハリを保っているコラーゲン繊維の構造を壊すため、肌は正常の弾力を失って、ハリやツヤのない状態に変性します。また糖化による老廃物が皮膚細胞内に溜まり、くすみや黒ずみの原因にもつながります。これまで「老廃物」と言われてきたものの中に、糖化によって生成されたものが非常に多いことがわかってきたのです。肌にとって糖化は肌のハリやツヤ、透明感を失うことになります。

肌がこげるって、どういうこと?

 体が酸化することは「サビる」こと、そして最近耳にし始めたのが「コゲる」という事。コゲるって何でしょう?サビるとかコゲるとか、わかりやすい言葉だけに気になります。

「抗酸化」がサビなら「抗糖化」はコゲ。これは成分名ではなく肌の内部で起こるひとつの現象と言えるでしょう。この糖化現象は最近になって発見されたわけではなく、昔から反応自体は知られていました。他の呼び方では、グリケーション・メイラード反応・キャラメル化など、いろいろあります。主に食品分野での研究が主流でしたので、美容には特化していなかったのですが、最近、肌研究の過程で、たんぱく質絡みで注目されるようになりました。

 要は「糖化」とは、たんぱく質の変性により起こるものです。血液中に糖が沢山あると、ブドウ糖分子がたんぱく質と結合してコラーゲンを硬くさせてしまいます。さらに過剰な糖はコラーゲンを壊して肌を老化させてしまいます。肌を構成する組織のうちの70%はコラーゲン(=たんぱく質)。つまり加齢により目に見えて現れてくる、くすみ・たるみ・黄ばみ・ハリのなさ・・・など、実は細胞のキャラメル化が原因のことが多いというわけ。

糖化を見極める鍵は、AGEにあった!

 たんぱく質と糖が結びつくとどうなるのか?もう少し掘り下げてみましょう。この意味は、肌のハリを保っているコラーゲン繊維の構造を破壊する生体反応だということです。
「糖化」によりできる老化物質は終末糖化産物(Advanced Glycation End Products=AGE)と呼ばれていますが、これが老廃物のひとつで、糖化により生じる老廃物が皮膚の細胞に溜まり、くすみや黒ずみの原因となって肌の透明感は失われます。AGE自体が褐色なので、肌も黄色っぽく、くすんでしまうわけなのです。肌の内部では、真皮のコラーゲンたんぱくやケラスチンファイバーなどのたんぱく質が破壊され、糖化してしまってAGEが溜まる、つまり"コゲた"状態になると、たんぱく質同士が固まって弾力がなくなり、ハリも失われてしまうというわけです。しかもAGEは一度作られると加齢と共に分解されにくくなります。

 要するに糖化は組織の老化を加速します。そして加齢とともにAGEが溜まり、結果的に病気にもつながりやすい。こんなことが何で起こるのかというと、血液中のブドウ糖値が高い状態が続くと起こってしまいます。つまり、ブドウ糖分子がたんぱく質と反応して結合すると、コラーゲンが固まって組織自体が硬くなって細胞間の連絡が悪くなる。これが糖化してしまったたんぱく質で、関節や筋肉の結合部に(もちろん皮膚にも)溜まってしまいます。身体はコチコチに硬くなるわけです!健康的なコラーゲンには弾力がありますが、弾力は糖化によって失われてしまうのです。

 身体は食べ物で作られるので、カロリーより栄養を考えて、バランスの良い食事を心がけるのも大切な事ですが、理想と現実はなかなかギャップもあったりしますね。しかも、残念ながら皮膚への栄養は最後の最後。まずは生命維持を優先させ、栄養は内臓から使われ始めます。だから肌には外からのケア、つまりスキンケアも大事になってくるわけです。内外美容の大切さ、こちらもバランス感覚が大事かな、と思います。

 早くに体が老化した人、病的に老化した人の病状を診たとき、分子レベルでは必ず「糖化」という反応が起こっています。これはメイラード反応といって、体内のたんぱく質や脂肪などが糖(グルコース)と反応して変性してしまう反応のことです。これを例えるならパンケーキがわかりやすいでしょう。牛乳や卵のタンパク質に砂糖を混ぜて焼くと、こんがりとした褐色に変化し、おいしそうな香りがします。これがメイラード反応、「糖化」です。お砂糖を煮詰めたときの「キャラメル化」も糖化です。食材に関してはメリットの多い反応なのですが、これが私たちの人体で起こってくると危険な状態になってしまいます。

 実は肩こりも「糖化」が原因で悪化しやすいことをご存じでしたか?血糖値が上がり、血液が老廃物とくっついて固くネバネバになって血行が悪くなるのが、その仕組みです。実際に血糖値のコントロールが悪いほど、肩こりをひどくしてしまう原因になるのです。

AGEを溜めない・増やさないためには?

 食生活や運動、血糖値を急に上げない生活習慣がまず大事です。「血糖値を急に上げない」というのは、ゆっくり食べることで糖化を防ぐことができます。本当にまずは生活習慣ありきなのです。これは美肌のためにも同じこと。アンチエイジングな食べ方をするように心がけましょう。急激な血糖上昇、インスリン分泌を避けたいものです。

  • ■急激に血糖値が上がるような食材に気をつける
     (最初に食べない)
  • ■急激に血糖値を上げる食べ方をしない
     (野菜や海藻、たんぱく質などを食べてから 最後に炭水化物を)
  • ■血糖値が上がった状態が続かないようにする 
     (ながら食べ・甘いジュース・炭酸飲料は要注意)

ことが重要です。そして

  • ■ゆっくりよくかんで食べる。(なかなか大変ですけれど)
  • ■焦げたものを(なるべく)食べない
  • ■食事の時間は、就寝まで2-3時間はあけること

「甘い物がやめられない」・「白い炭水化物(パン・パスタ・粉もの・ご飯)が大好き」という人も要注意。前述した通り、血液中に糖が大量に入ってくると、その糖はたんぱく質と結びついて「糖化(した)たんぱく質」になりキャラメル化します。ネバネバした状態でほかの細胞を攻撃し老化を早め、しかもやせにくい身体をつくる原因にもなってしまうのです!

 そして繰り返しますが、肌では「くすみ」「たるみ」「黄ばみ」といった問題で現れてきます。眼も黄ばみます。肌を構成する組織の7割はコラーゲン、つまりたんぱく質なのですから、いつまでも輝きのある透明感あふれる肌でいるためには、「糖化」しない、できるだけAGEをつくらない、そして溜めない生活習慣が、どうやら美肌の鍵となるようです。

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