AGE研究情報

甘いものが好きな人はシミになりやすい

2016年11月21日

AGEとシミの関係(AGEじみ)

見た目年齢が若いと健康状態も良いと言われています。実際に双子を対象にした研究では、見た目の若い方が長生きする傾向があったのです。そこで、AGE測定推進協会と久留米大学の山岸昌一博士は、皮膚のAGE量と見た目年齢の比較を行ってみました。仮説どおり、AGEは見た目と関係していたのです。結果は、「皮膚AGEs値は見た目年齢と相関する」という論文にて発表しました[1]。

AGEが見た目に影響する理由は、シミとシワを増やすからです。

アリゾナ大学のウオンドラック博士はAGEがどの程度お肌に影響を与えるか調べてみました[2]。ヒトの表皮細胞に紫外線を当てると、30%も成長が阻害されます。そこにAGEを加えると、なんと80%も阻害されてしまったのです。
若く見えるか、見えないかは、環境的要因と遺伝的要因があります。遺伝よりも環境が大きく影響し、特に紫外線が環境的要因の8割を占めると言われています[3]。アリゾナ大学の研究は、紫外線による光毒性をAGEが増幅させ、シワを増やすことを示しています。

では、紫外線のない状態ではどうでしょうか? AGE単独でお肌に影響は与えられるのでしょうか? 

その質問に答えたのが、同志社大学とモリンダ社の共同研究です[4]。 

研究グループは、メラニン細胞にAGEを添加し、影響を調べてみました。紫外線やMSH(メラニン細胞刺激ホルモン)の刺激を与えなくても、糖化コラーゲンを細胞に添加することで、メラニンが作られたのです。 

AGEが引き起こす炎症が刺激となり、しみが作られることを示唆します。これを「AGEじみ(AGE性色素斑)」と名づけました。 

「甘いものが好きな人はシミになりやすい」と巷で言われています。今回の研究は、その「巷の噂」を科学的に説明するものとなります。
甘いものをとると、血糖値が上がります。必要な糖は細胞に運ばれ代謝されますが、余剰分は体内にとどまります。余った糖がたんぱく質と結びつき、AGEとなります。そのAGEがシミの原因となっていたのです。

研究グループは「AGEじみ」を阻害する物質を探すことにしました。世界各国のハーブや既存の美白成分を調べた結果、もっとも強い阻害作用をもっていたのは、南太平洋に自生するノニ(Morinda citrifolia)の種子エキスでした。このエキスを応用することで、今までにない新しいタイプの美白化粧品ができるかもしれません。

AGEは加齢に伴い蓄積される物質です。発見当初は病理学の分野で研究が進みました。最近では、美容面での研究も盛んになっています。AGEじみの研究は、AGE管理が美容に役立つことを教えてくれます。

メラニン量

メラノーマ細胞にAGEを添加しメラニン量を測定する。コウジ酸を添加すると、メラニン産生は阻害されるが、ノニ種子エキスはそれ以上に抑えている。 

*コウジ酸:薬用美白化粧品に利用される 

1. Yamagishi, S.M., T. Uwaya, A. Isami, F., 皮膚AGEs値は見た目年齢と相関する. Pharma Medica, 2015. 33(3): p. 91-95.
2. Wondrak, G.T., et al., Photosensitized growth inhibition of cultured human skin cells: mechanism and suppression of oxidative stress from solar irradiation of glycated proteins. J Invest Dermatol, 2002. 119(2): p. 489-98.
3. Flament, F., et al., Effect of the sun on visible clinical signs of aging in Caucasian skin. Clin Cosmet Investig Dermatol, 2013. 6: p. 221-32.
4. Abe, Y.I., F. , AGE由来メラニン産生阻害剤及びAGE由来メラニン産生方法, Patent_office, Editor. 2016: Japan.